90年代

知人から、宮台真司さんが「限界の思考 空虚な時代を生き抜くための社会学」で90年代がなんだったのか分析できないというようなコメントをしていることを聞きました。
まだ読んでいないのでどういうコンテキストでどんな意味だったのかもわかりません。しかし、90年代を総括するというテーマ自体に魅力を感じました。
私が90年代を一言で言い表すなら、「情報が人を飲み込んだ時代」です。もう少し説明すると、それまでは、情報とスキル(派手な言葉でパフォーマンス)が比例関係にあって、歳相応に経験を積むことで歳相応にリスペクトが得られる時代でした。ところが、90年代のインターネットと検索エンジンの登場で、有識者に聞くよりインターネットで検索をかける方が情報が集まる時代に突入しました。その結果、情報がまるで流行の移り変わりのように新たな情報を生み、過去の情報が意味を持たない分野が多くできたと思っています。この時、特に30代以降の大半の人は大きな失望感を体験したのではないでしょうか?
学習能力より情報の変化の方が激しければ、普通の人間は鬱状態になります。
だから、90年代は「情報が人を飲み込んだ時代」。
21世紀最初の10年は、この反動でパフォーマンスの時代。ウンチクはググれば手に入る有識者への評価は低くなりました。高い評価は、芸人、アスリート、マネーゲームの勝者が得ています。