リーマン予想3

テキストしたRiemannの原論文の2番目の式は次の式です。


(1)\hspace{20}\int_{0}^{\infty}{e^{-nx}x^{s-1}dx=\frac{\Pi(s-1)}{n^s}}


Riemannはこの式を使って、ゼータ函数を調べようとしています。
またΠが出てきましたが、このΠは積を表すものではなくて、z>0で以下のように定義される函数です。


(2)\hspace{20}\Pi(z)=\int_{0}^{\infty}{t^{z}e^{-t}dt}


これまたややこしそうな函数ですが、zに自然数を入れると、以下の性質を持ちます。


(3)\hspace{20}\Pi(n)=n!


確認してみましょう。まず、n=1の時。


(4)\hspace{20}\Pi(1)=\int_{0}^{\infty}{te^{-t}dt}
\hspace{20}=[t(-e^{-t})]_{0}^{\infty}-\int_{0}^{\infty}{(-e^{-t})dt}
\hspace{20}=\int_{0}^{\infty}{e^{-t}dt}
\hspace{20}=1


確かに1でした。さて、n!=n*(n-1)!が成り立つことを、\Pi(n)について確認しましょう。


(5)\hspace{20}\Pi(n)=\int_{0}^{\infty}{t^{n}e^{-t}dt}
\hspace{20}=[t^{n}(-e^{-t})]_{0}^{\infty}+\int_{0}^{\infty}{nt^{n-1}e^{-t}dt}
\hspace{20}=n\int_{0}^{\infty}{t^{n-1}e^{-t}dt}
\hspace{20}=n\Pi(n-1)

確かに\Pi(n)=n\Pi(n-1)が成り立ちます。だから、帰納法で考えると、\Pi(n)=n!


\Pi(z)はグラフで書くと、y=n!の上を通る連続的な曲線です。


今日はここまでです。明日は…明日の風が吹きます。