リーマン予想2
前回は、1より大きな実数変数sに対してを定義し、それが、自然数全部を使っても、素数全部を使っても表すことができることを見ました。
今回は、変数sに1より実数以外の数を入れたときにどうなるか見てみましょう。
例えば、境界の。
の積分がであることを知っていると、右辺が発散することを示せます。こんな感じ。
式(1)の右辺は高さ、幅1の長方形の面積を足し合わせたもの。これは
さて、とはちょっと違う無限級数を考えましょう。
は初項が1、公比がsの等比数列の和です。公比が1よりも小さいときにはこの無限級数は収束します。公比が1以上のときには足していく数が大きくなっていくので、発散してしまいます。ですから、ここではsは1より小さいとします。この前提で、等比級数の公式を導いてみましょう。(3)の両辺にsを掛けます。
(3)から(4)を引くと、
従って、
です。無限級数だったものが、引き算と割り算だけの簡単な式になりました。この新しいはの時には発散しますが、1より大きな値を入れても、何の問題もなく計算できます。例えば、ですね。
式(3)ではG(2)は発散してしまいます。ところが式(6)のG(s)では、発散して計算できなかったところも計算できるようになっている。もちろん、式(3)で計算できるところでは、式(6)も同じ値になります。こうして見ると、等比級数の公式が公式以上のものに見えてきますね。
リーマン予想1では最初の式(1)の級数や積を「Riemannのゼータ函数の元となるもの」と呼びました。今回の式(3)に対する式(6)のように、最初の式(1)に対する何か、それがゼータ函数です。
今日はここまでです。今日、式(3)から式(6)を導いたように、明日からゼータ函数探しをします。