リーマン予想4

<要書き直し>
前回は、パイ\Pi函数がどんな函数か見ました。
パイ函数の定義は積分の形で与えられましたが、以下のように書くこともできます。


(1)\hspace{20}\Pi(z)=\lim_{n\to\infty}{\frac{n!n^z}{(z+1)(z+2)\cdots (z+n)}}


以下、証明の概略です。
まず、\log\Pi(z)が凸函数(二階微分が0以上である函数)であることを示します。
(任意のuでu^2\Pi+2u\Pi'+\Pi''\geq 0が成り立つことを示すと、示せます。)
0\lt s\lt 1とすると、\log\Pi(z)が凸函数であることから以下が成り立ちます。


(2)\hspace{20}\log\Pi(n)-\log\Pi(n-1)\leq\frac{\log\Pi(n+s)-\log\Pi(n)}{s}\leq\log\Pi(n+1)-\log\Pi(n)


(3)\hspace{20}\log n\leq\frac{\log\Pi(n+s)-\log\Pi(n)}{s}\leq\log(n+1)


従って、


(4)\hspace{20}n^s\Pi(n)\leq\Pi(n+s)\leq (n+1)^s\Pi(n)
\hspace{30}n^sn!\leq\Pi(n+s)\leq (n+1)^sn!


ところで、


(5)\hspace{20}\Pi(n+s)=(s+n)(s+n-1)\cdots (s+1)\Pi(s)


だからこれを(4)に代入すると、


(4)\hspace{20}\frac{n^sn!}{(s+1)(s+2)\cdots(s+n)}\leq\Pi(s)\leq\frac{(n+1)^sn!}{(s+1)(s+2)\cdots(s+n)}


それっぽい式が出てきました。
パイ函数で数列を押さえ込む形にして極限を取ると、[tex:00<z<1以外の範囲にも拡張できます。0で定義しましたが、その函数とz>0で同じ値を取り、z<0でも整数以外のところで値を決められる函数(1)を求めることができました。
今日はここまでです。