観る碁のための囲碁入門10

第6譜

白が22に挟んだのに対して、黒は23と中央に向かって一つ開けて中央寄りに打ちました。こういう手を一間(いっけん)トビと言います。
上にも下にも白石がある状態なので中央に頭を出すのは自然な手ですが、左上だけ見ると比較的珍しい手です。
よくあるのは、Aと隅の白を挟撃するか、Bと隅に入るか。どちらを選んでも挟まれた黒石を捨てることになりそうで、左辺の白模様が大きくなるのでこの場合は黒がそれを避けました。

第7譜


白は左上と左辺、どちらを打つか迷うところですが、普通は白24と隅を構えます。この手の意味は、トんで2つになった黒石をまだまだ攻めるぞと挟んだ時からの主張の継続です。黒石を取ってしまえるわけではないですが、攻めることによって上辺と左辺を陣地にしようと考えています。



白1と左辺から攻めることも考えられますが、黒2と打たれると左上隅の白が窮屈な感じです。この感覚は実は観ているだけでは得るのは難しいです。どちらから攻めるのが得か実戦で経験を何度も積んで少しずつ自分なりの仮説を作っていく必要があります。

第8譜

白に左上上辺を守られたので、黒25と左辺の白を圧迫に行きました。挟んで攻め返すことも考えられますが、左下に白が控えています。ここは白石が多いところなので25を選びました。
対して白は26。黒は一方的に分断されないように27。そして白28!


ついに白黒双方が分断されるという形になりました。開戦、戦いの始まりです。