観る碁のための囲碁入門9

実戦はいよいよ戦いが始まろうとしています。囲碁の戦いって何?という方多いと思いますが、ちょっとここでコーヒーブレイク^^


今回は李世乭選手がどんな人がご紹介しましょう。



tygem.comより


李世乭選手は1983年生まれ、現在32歳。韓国のプロ棋士です。名前はイセドルと読みます。


17歳で国内戦初タイトル、32連勝を記録。富士通杯世界選手権を2002年、2003年と連覇。国内戦タイトル獲得数23、世界戦タイトル獲得数18。今世紀に入ってから現在までの成績では突出した世界のトップです。


本人がインタビューで全盛期は2009年までだったという発言もしていますが、最近も年末年始にかけて、夢百合杯と呼ばれる世界戦で決勝を争い、20歳前後の選手が大勢台頭する中、存在感を示しています。


少し脱線しますが、囲碁は4000年ぐらい前に中国で生まれたと言われています。本当だとするの中国の文字(漢字)より古いということになり衝撃ですね。
1100年頃(日本の平安時代)には当時のトップが既に相当の棋力だったことを示す棋書が編纂されています。


日本に伝わったのは奈良時代以前のようです。
豊臣秀吉が名手日海に碁所(ごどころ)という役職を与えた時から江戸時代が終わるまで時の権力者の保護によって文化的地位を得て飛躍的にレベルが上がったそうです。特に棋譜を残すという慣例が確立され、研究が行き届くようになったのだと思います。保護とは言っても今時の文化保護とは違い、家元四家による碁所を賭けた熾烈な争いがありました。


そんな切磋琢磨の時の流れの中、節目節目に天才が現れて、碁とはこう打つものという考え方自体を変えていきます


李世乭選手も間違いなくその一人です。李世乭以前と李世乭以後、トップの選手が打つ碁がはっきりと変わりました。以前は陣地で先行するタイプと形を整えて戦いに備えるタイプというように好きな戦略で選手を分類しやすかったのですが、李世乭選手はどちらとも言えず、盤全体を使って複雑な局面にして複雑になるほど自分が正確に打てるという戦略を取りました。(すいません、私、強くないアマチュアなのでこれは単なる個人の印象です)
李世乭選手が登場してからは序盤から非常に激しく戦う碁が増えたと思います。


そんな背景をぼんやり頭に浮かべながら、明日から実戦の続きに戻りましょう。