錬金術

分子と原子核の構成する相互作用が違うことがわかって、錬金術の化学的試みの長年の努力が原理的に無に帰したのは、わずか100年前。
ラザフォードさんがとどめを刺したと理解しています。
アインシュタインさんが質量とエネルギーが等価であることを示して、質量欠損の形で特定原子を作るために必要なエネルギーを評価できるようになりました。
http://www.nucl.phys.tohoku.ac.jp/~hagino/lectures/nuclphys2/notes2.pdf
ウィキペディアによれば、水銀(原子番号80)にガンマ線を当てると原子核崩壊で金(原子番号79)と白金(原子番号78)に変わるそうです。
質量欠損のトレンドを信じれば、崩壊の仮定でエネルギーが放出されるわけですから、ガンマ線のエネルギーは結果として吸収されることはない。
まあ、ガンマ線を損失なしに水銀と反応するまで閉じ込めるわけにもいかないから、そこが経済的に難しいところがあるのでしょう。
ガンマ線の損失を、水銀と金、白金の質量欠損差でまかなえるようになれば、金、白金は水銀から作れるようになる?

素粒子/原子核物理が実世界に影響を与えなくなってから久しいです。錬金術がかつて化学の発展に寄与したように、現代の錬金術として原子核物理が復権することがあってもいいんじゃないか。アカデミアは、少なくない税金をかけて精緻な理論の検証を繰り返す研究からそろそろ卒業してほしい。