情報技術の産業化の是非

今日の日経産業新聞にITは産業化に失敗したという内容のコラムがありました。
対照的な例として自動車産業が挙げられていましたが、自動車産業は自動車メーカだけでなく、各部品からメンテサービスまで広く市場を形成して多くの人の生活を成立させることに成功しましたが、ITは常に寡占化が起こり、市場の多様化に失敗していると。確かにそうです。
量産コストがゼロという特徴は多様化を促進してもおかしくないように見えますが、実際には多様化を阻害するようです。この辺りは進化論的モデルでも説明が可能かもしれない。
ただ今の寡占化の原因は、コンピュータでできるとうれしい価値と、誰の説明もなしにできるかどうか知って実際に使えるようになるまでのコスト(時間、費用)が釣り合っていなくて、ほとんどの人はコストを下げるために周りと同じソフトやサービスを選択することになります。自動車では、みんながカローラ乗っているからカローラにしようという発想はほとんどない。価値と価格だけで判断されます。
ではなぜ、コンピュータは使うのにこうもコストがかかるのか。成熟していないせいもありますが、それが情報処理というものなのかもしれません。教育は常に高コストになります。