「心が脳を変える」

心が脳を変える―脳科学と「心の力」

心が脳を変える―脳科学と「心の力」

後半にベンジャミン・リベットさんの実験に関する言及がありました。

準備電位は筋肉の動きのほぼ550ミリ秒前に現れた。行動しようという決断が意識されるのは、運動の100ミリ秒から200ミリ秒前―準備電位が現れてから350ミリ秒あとだった。
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リベットの発見は、自由意志というものが運動を起こそうとする始まりではなくて、運動をそのまま進行させるか押しとどめるという働きをすることを示唆している。

「おしっこ」を例にした欲望論(どうも最近言葉を選ばず素直に表現するようになってきてちょっと品がなくなっています)と合致して、読んだときには素直に受け入れられました。自由意志=抑制とは言いませんが、生理的欲求を制御するのが理性というものでしょう。
これで、私が団塊の世代を尊敬できない理由も言語化できました。団塊の世代は高度成長という抑制の効かなかった時代を生きた人たち。
自殺も実は誰もが持つ生理的欲求かもしれない。松岡利勝大臣のご冥福をお祈りいたします。