高尾新名人誕生

現在の世界最強を選ぶなら確実に候補者の一人として入る張栩名人をくだして、高尾本因坊が新名人に就きました。

「最初から勝てるとは思っていなかったので気楽でしたが、第4局で負けたと思っていた碁が勝っていて、プレッシャがかかりました。」

勝てると思わずに勝負するメンタリティは日本人ならではでしょうね。
碁にはやはりアプローチが両極あって、1つは真理を探求するもの、もう1つは真理を知ることが不可能なときにどう振る舞うかを探求するもの、かと思います。(もう1つ、相手の心理を探求するというアプローチもあるのですが。)
張栩元名人と高尾本因坊は、その両極の代表選手でした。普通なら持ち時間が長くなるほど、真理探究型が有利になる気がするのですが、現実は逆のようです。時間が長ければ長いほど、神様は両者にチャンスを与えるようです。
ポーカーフェイスというか、いつも半分あきらめたようなでも楽しんでいるような表情の高尾本因坊が、終局直後、涙ぐみそうな顔をしていたのが印象的でした。負けずに勝負を終えられるということは幸せなことなのでしょうね。
本因坊になったときに、インターネット碁会所「幽玄の間」でライブチャットがあったのですが、私のしょうもない質問にもいくつか答えてくれました。また、ライブチャットがあるといいな。李世ドルさんの碁をどう思っているのか聞きたい。
高尾新名人、おめでとうございます。