潮時?

本因坊戦に刺激され、tygemの5dで集中したいい感じだったのが、負けが込み始めて4dに降格、早く復帰したくて持ち時間なし20秒の秒読みで打始めたら(錯覚でしょうけど)布石ですぐ良くなって大差の寄せで一手ばったりが続き、惚けたように3dになりました。この辺り、自分が如何に誠意のない人間か物語っています。どうしてもこういう時期があるんですよね。

で、気を取り直して、なんとか4dに復帰してみると、皆さん強い。4dは物足りなくて5dはちょっとしんどいなんて思っていた自分が不思議です。要するに回りが見えてないということですね。相手の強さが見える見えないと勝ち負けは関係ないところが不思議です。

私の黒番。

私の黒番は三連星か両小目のどちらかです。秒を読まれる碁だとそうなるのは明らかに好奇心や挑戦する気持ちの衰えですね。それが意識の上に上がって来たので、黒15と二間飛びに挑戦してみました。ほとんど実戦で打ったことがないし定石も知らない。黒27白28の交換を打たずにAが定石のようです。ボウシが好きなのでこうなりました。

ボウシに手抜きで白30から一子取りに来られたことにびっくりしました。なぜそんな小さな一子を?黒47は48を迷いましたが、48と打っても白一子を取り切れてないしと思い打ちました。白も勢い48。黒49で隅が大きく優勢を意識しましたが、大きな錯覚ですね。白中央に地と厚みを持っている。

優勢だと思っているから、白を固めて、二子して捨て石して黒65で「十分です」。見直してみると、完全におかしいですね。私、大丈夫?

下辺もハザマを空けてみたりしましたが、捨て石になっていなくてもぎ取られてますね。でも打っているときはかっこ良く利かしたつもり。で、黒83となんとなく早逃げして、白84に「下辺の黒石は利かした石だぞ、捨てるつもりで。」と言い聞かせながらの85に白86と打たれて、突然目が覚めたというか黒ほとんど潰れと自覚しました。でもまあ、焦点をはっきりさせなければごまかせるだろうとも思いながら。

黒87, 89と慌ててから91とあきらめ、93でごまかそうとしています。白94はこれでなんの憂いもないという手ですね。じゃあ取ってもらおうと95を打ったら白96とまとめて面倒見られました。96を見て「ああこの人私より全然強いじゃない。ごまかせるわけない。」

黒113で114と根こそぎ逃げると左辺か下辺のどちらかが死にそうなので、113と再度ごまかしにかかります。黒115は心理作戦。白114が「終わりました」という手なので、こっちも「終わりました」という手を打ってみました。

白18と覗かれた時にいやーな気持ちになりながら仕方なく19と出ました。素直に継ぐと左辺の黒が切られてしまいます。白20に守り方がわからなくて黒21という変な手を打ったら白22で絶望しました。

絶望しながら黒23に継いで白26のキリを迎えました。投げようかとも思いましたが、活きそうだったので続けました。

白38にツケられて「死んだ方がましだったか」という気分です。黒39と許しを乞うても追求され、黒45が勝負手。あんただって上辺活きてないだろと問うたら、白46から50までかっこよく決められました。

黒53と「最後のおねがい」とコウっぽく行ったところ白54がどうだったでしょうか?アテを打てば黒三子取れているのでコウにせずに継いで終わっていた気がします。実戦のコウ争いで白はそばコウもあり、自信満々。ですが、私のほうは55に抜いた時点で「コウじゃないかも?」と思い始めてました。黒59をコウ材のような顔して利かしてからコウ材なくなったような顔で65。指が震えます。

白70から上辺の黒をもぎ取られましたが、静かに黒73。白74も間髪入れずだったので全く気に留めていなかったのでしょう。黒75がアタリで白さんの手が止まりました。こういう負け方を繰り返して来たので気持ちがよくわかります。最初に一手ばったりと書きましたが、相手にしてみたら一発入れようと入念に準備しているものですよね。白74でハネ出さなくてもセキにもコウにもならず黒攻め合い勝ちそうなので(本当?)、それなら白54の時に碁は終わっていたということになります。

大いなる錯覚から始まって、何度も読み負けて、最後に勝ち筋が見えた時指が震えました。緊張って舞台の大きさとかじゃないですね。何段とか関係ない。何度もこの人強いわと思わされた後、勝てるかもと思った時震えます。

5dで勝てるようになりたいと思っていた自分が何かを卒業したような気分になった一局でした。