Steve Jobsさん訃報

今日の午前中、世界に衝撃が走りました。
私は、Jobsさん闘病続きだったので、そうですかという受け止め方でした。
私自身が未だに何が立派なのかがわからない45歳の中年で、立派という言葉を使う資格のない人間ですが、立派な人生を遂げられた人だと想いました。
下種の勘繰りをすると、Apple IIまではJobsさんはお金欲しさのビジネスだったのではないでしょうか?それが、ゼロックスパロアルト研究所見学がJobsさんの人生のすべてを変えた。以来文字通り死ぬまでコンピュータをデザインし続けられました。
普通のビジネス成功者は、獲得した財産を元に余生を社会貢献に使います。Bill Gatesさんもそう。もちろん庶民が想像できない立派な行動と思います。
でも、Jobsさんは7000億円の財産を使う暇なく亡くなりました。


Jobsさんを忍ぶ言葉にはvisionaryという単語がよく含まれています。私にはかなり違和感があります。visionaryに値しないなんていうつもりは全くありません。無理に探すとしたらファンタジスタでしょうか。Jobsさんのような人を形容する言葉はまだ用意されていない気がします。


今のコンピュータなんて、きっと未来から見るとパピルス紙のように洗練からほど遠いものなんですよ。でも、その未来の可能性をみじんにも疑わず、量産可能な部品から経営者として作り続けた。実現が可能かどうかその境界がよく見えていた人なんでしょうね。
黒ジョブズの逸話:In Praise of Bad Steve - D.B.Grady


iPhoneiPadに機能拡張が可能なアプリを入れることを拒否したその判断は、未だプログラミング環境がユーザーエクスペリエンスとして耐えられるものとしてできていないという判断だったと想像します。今のプログラミング環境では人はあっという間に不具合(バグ)を生み出してしまうから、ある意味尤もな判断です。


Windows 95が発売されて、アクセサリにたくさんのアプリケーションがインストールされているのを見たとき、Microsoftがすべて作り尽くしてしまうんじゃないかという無力感を感じました。
今、App Storeの大量のアプリケーションを見ても、無力感を感じることはありません。むしろみんなそこに可能性を見いだしているのではないでしょうか?


Jobsさんがパロアルトで見たDynabookは未だ実現されていません。何が足らないのかもわかりませんが、未だ人はコンピュータによって増幅されてはいない。


Apple社は私の物欲を刺激してくれるほとんど唯一のメーカです。Steve Jobsさんに感謝致します。
requiescat in pace.