ファウスト
新訳決定版 ファウスト 第一部 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
- 作者: ゲーテ,池内紀
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/05/20
- メディア: 文庫
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知識を捨てて官能と美を求めたファウストを取り巻く悲劇。インテリ好みのプロットへの興味から次第にマルガレーテの悲劇に意識がフォーカスされていきました。
第一部と第二部の間に一体どれだけの時間をゲーテさんは持たせたのか。ほぼ台詞だけで構成されている戯曲では、沈黙の時間の概念がなく、読めば読むほど混乱します。果たして悲劇はファウストにとっても悲劇だったのか、それとも人生は悲劇を反芻する時間などないものなのか。
脚色でいくらでも新しい解釈を入れられるところに、研究されるだけの名作の価値があるのかもしれませんが、ゲーテさんの「ファウスト」は原案であって、作品ではないのかもしれません。
庵野秀明さん辺りの「ファウスト」を見てみたいものです。