王銘【エン】の囲碁ミステリーツアー

王銘〓の囲碁ミステリーツアー (MYCOM囲碁ブックス)

王銘〓の囲碁ミステリーツアー (MYCOM囲碁ブックス)

今日のNHK杯、張治勲十段対羽根直樹九段の碁と高尾本因坊の解説にも、その読みの深さと思い違い(高尾本因坊が趙十段が早い時期から攻め合い一手勝ちを読んでいたのですねと解説したら、局後の感想で、趙十段から渡っていると思ってたという告白が・・・)にも感動しましたが、この本もプロの読みの深さと錯覚を存分に楽しませてくれます。
読みと感覚をいくら磨いても、人間は錯覚から逃れられないようです。囲碁の場合、錯覚を前提にできない場面が必ず訪れるところが面白さであり、悲しさですね。
王銘エン九段は若かりし頃、一瞬でいいからトップに立ちたいとインタビューで答えられていましたが、本因坊を奪取の翌年、最強の挑戦者張栩七段を迎えて防衛したとき、間違いなく碁界のトップでした。でも、私にとっては、王銘エン九段の著作の方がずっと価値があります。元本因坊は何人もいますが、こんな本書ける人は他にいません。