逆転

10年前にアメリカに来たときには、「なんちゅうがさつなところだ、日本人はもっと親切でやさしいぞ」と、潜在的な郷土愛を強めたものですが、今回来てみると、案の定、今の日本人よりみんなやさしいです。やさしいというのは親切というわけではなくて、懐が深いというか、具体的には流暢には程遠い英語でも、すぐ意図を汲み取って反応してくれる。前回の時には、「英語も話せんやつがアメリカに来るな」という空気が街には溢れていたのですが、今回は全くそれを感じない。
ボストン周辺が特別なのか、日本とアメリカの世間的な余裕が逆転したのか。もっとも一番大きな原因は、この10年自分が余裕を持たないようにしていたことでしょうね。
以前は、人の気持ちを察したり汲み取ったり、議論の時にも相手の意見を引き出すためにわざと間違えたことをいうとかできる人間だったのですが、どこかで「余裕を見せるくらいなら余力を出せ」という方針に変わりました。大体きっかけも想像付くのですが、まあしばらくはこの方針に変わりはないでしょう。
環境を変えると色々なことを思い出すものです。