いちばん大事なこと
- 作者: 養老孟司
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/11/14
- メディア: 新書
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- 「人工」とは意識がつくり出したもので、「自然」とは意識がつくらなかった世界である。自分の体は、意識がつくり出したものではなく、勝手にできたものだから自然に属する。
「起こったこと」を好む人間の性癖とあいまって、おかげで「なにかしよう」という癖がついてしまう。それを「積極性が高い」などと誉めるから、ますます悪い。性行動に積極性が高い人を、スケベという。環境問題や経済活動についても、そういう表現があればいいのである。
- わからないことをブランクのままにし、何割ぐらいかがわかれば、まあこんなところだろうと思って、とりあえずつきあう。そういう辛抱が必要になるのである。
- システムは複雑なものだが、それを破壊するのはきわめて簡単なのである。他方、システムをつくり上げるのは、現在までの人間の能力では、ほとんど不可能である。それがいいたい。だからこそ、安易に自然のシステムを破壊してはいけないのである。