生き様

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)

いまにして思えば、十四歳にして何のためらいもなく男にそのようにふるまえるということが、瀬尾由加子という人間の持っていたひとつの業であったと言えるでしょう。

黄金の腕 (角川文庫)

黄金の腕 (角川文庫)

ママの過去にどんなことがあったか知らないが、私も、少年の頃から一人で独立国を守っているようなしのぎ方を続けてきて、そのためどこにも無駄な敵をつくらず、どの方角とも相和すような構えで生きてきた。そうしているうちに、本当に人間同士が睦み合うことがどういうことだか、忘れかけてしまっていた。

人生を1本の綱を渡る危険な行為にたとえることもできます。何も持たずに渡ればとたんに落ちてしまう。そんなに人間は全知全能ではない。だから1本の長い棒―平行棒、バランシングバーを持って渡る。その棒は何の変哲もない、借りた金は返そうとか、女房が病気なら看病したふりはしよう(笑)、とかなんだけど、それがなければやはり綱を渡れない、そうなぞらえることができる。なおかつ前進しなければ平行棒を持っていても転落する、これは大袈裟にいえばミリタント、戦士としての気構えみたいなものでもって闘い、歩を進めていくことだと思います。

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

『いや、お若いの、ご自分を責めてはいけません。人は人生の大事にはほとんど影響を及ぼせないものだということが、私ぐらいの年になればあなたにもおわかりになりますよ。』

業とか人生が少しわかる歳になりました。