遅咲きアスリート

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010111690173243.html
プロ棋士結城聡さんが天元を獲得しました。おめでとうございます。
私が囲碁を始めた頃、プロになるかならないかというぐらいの結城聡さんと倉橋正行さんの雑誌対局の記事を拝見しました。観戦記者の終盤の問いに対して、一言で済むところを、その手だと最後まで寄せてこういう結果になりますという対応を丁寧にされたというくだりにプロフェッショナリズムを感じました。自分がその頃何をしていたのか忘れてしまった今でも覚えているだから強烈な印象だったのだと思います。
結城さんはその後、激烈な戦闘能力で個性を打ち出しました。が、私の印象では、韓国棋士の台頭に最も速く対応し、変革した棋士が結城さんだと思います。
今の日本のトッププロは張栩さん以外は今でも、昔の、文化や生き様を背負った棋士の雰囲気を感じます。結城さんと張栩さんは、自らをアスリート系に切り替えた数少ない棋士ではないでしょうか。
国際棋戦の活躍の低年齢化が進んでいますが、結城さんはきっと国際棋戦で大輪を咲かしてくれるという気がします。ご本人もきっと国内棋戦ではなくそれが目標のはず。
改めて、おめでとうございます。