神との対話

神との対話―宇宙をみつける自分をみつける (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)

神との対話―宇宙をみつける自分をみつける (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)

知人からよかったという話を聞いて、一巻を読んでみました。哲学的味付けをした啓発書というカテゴリでしょうか。現状に不満や不安があって、変わりたいという気持ちのある人や時期には、心に響くのではないでしょうか。表現が素直でいい本だと思いました。著者は、変わりたいという気持ちを肯定し、変われない理由はないことを説明し続ける神を演出します。
河合隼雄さんの何かの本に、「人は誰でも治りたいのけど、簡単には治りたくないんだ」という意味合いのことが書かれていて、えらく感心したことがありますが、変わりたいけど(今までの自分を否定しないためにも)簡単には変わりたくない気持ちをほぐしていってくれます。
読んでみて感じたのは、「変わりたい」という気持ちを持つということは若さだなと思いました。それは、読む人の精神的年齢だけではなくて、ユダヤ教に始まる一神教の新しさと仏教の古さの差も通じる気がします。「変われるよ」と言ってくれる神も「変わらなくてもいいよ」と言ってくれる神も、きっと二人ともいい人だと思います(笑)。
一巻の終わりのほうに私に厳しい言葉がありました。

身体はアルコールを摂取するようにできていない。アルコールは精神を損なう。

その通りですね・・・