達人プログラマー

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

  • 作者: アンドリューハント,デビッドトーマス,Andrew Hunt,David Thomas,村上雅章
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本
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いい本です。一番印象に残った話は出だしの石のスープの話でした。

戦地から家路への向かう3人の軍人は飢えていました。しかし、前方に村を見つけ彼らは元気を取り戻しました―きっと村人達は食料を分け与えてくれるだろう…と。しかし村に到着した彼らを待ち受けていたのは、堅く閉ざされたドアと窓だけでした。戦争が何年もの間続いたせいで、村人達の食料も枯渇し、持っているものをすべて蔵の奥深くへとしまい込んでいたのです。
そこで軍人達は深鍋いっぱいの湯を沸かし、その中に注意深く石を3つ沈めました。不思議に思った村人達は何が起こるのか見るためにぞろぞろと表に出てきました
「これは石のスープだ」、と軍人達は説明しました。「具はそれだけなんですかい?」と村人が尋ねます。「そのとおりーしかしいくらか人参を入れると味が引き立つと聞いたことがある…」村人は家に戻り、すぐさま蔵の中からかごいっぱいの人参を持って走ってきました。
数分後、村人は再び尋ねました。「これで終わりですかい?」
「あぁ」と軍人は答えます。「イモが数個あると味がどっしりとするな。」これを聞くや否や別な村人が走っていきます。
その後1時間ほどで、軍人達はスープを良くするためのより多くの材料ー牛肉、ネギ、塩、ハーブを挙げていきました。その度に別の村人が各個人の蓄えを取りに走っていきました。
そして、ようやく大鍋いっぱいのほかほかしたスープが出来上がりました。軍人達は石を取り除いた後、村人全員達とテーブルを囲み、この数ヶ月間食べたことのなかったような充実した食事をみんなで楽しむことができたのです。

軍人の取った行動の倫理については是非はあるかと思いますが、筆者がこの例で言いたかったことは、「変化の触媒たれ」でした。