世紀の一戦

張栩さんと李世ドルさんの3番勝負(トヨタ&デンソー杯囲碁世界王座戦)が始まりました。既に15年近く韓国碁界に後塵を排している日本碁界ですが、大げさに言えば、今後対等な関係まで回復可能なのか、それとも世界の中心は韓国に決まってしまったのか決定づける戦いと思います。
どちらも日本人ではないのですが、既に日本の棋士が勝てなくなった李昌鎬さんまでは、江戸時代の家元制度で築き上げた日本の碁の遺伝子のようなものをその棋風に感じることができたのですが、李世ドル世代の韓国棋士は大局の読みでそれを打ち破りつつある気がします。日本の碁は、厚みと地を重視して、わかりやすさを追求してきましたが、彼らは常に全体に軽く、どの石とも振り変わることを前提に戦いを進めます。
ところが、3番勝負、第1戦を今観戦していて、素人目にあっという間に布石で黒(李世ドルさん)の形勢が良くなるところを目撃しました。厚くて地が多い。張栩さん、このところ、お疲れかそれとも迷いの森に入ってしまったようです。高尾さんの碁と向き合って、正しいと思っていたことに疑問を持ってしまったのかもしれません。
もしこの3番勝負で日本が負けたら、最後は白黒はっきりさせるために、2日制7番勝負の国際棋戦化しかないでしょうね。
李世ドルさんの解説本を韓国で出ていないのかな。何を考えているのか読みたい。