逝きし世の面影

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

海外から訪れた人の文献を基に、江戸時代、明治時代の日本人が持っていた無垢さを検証した大作です。貧乏でも貧困にならない庶民の精神性、礼節、笑いの絶えない陽気さ、隠すものがない開放性、そして決して好意を金銭に替えない高貴さが、海外の文献を通して明らかにされています。
冒頭に引用されているバシル・チェンバレンさんは明治時代に日本に滞在したジャパノロジストだそうですが、そのチェンバレンさんが「古い(愛すべき)日本は死んでしまった」と書かれているそうです。明治時代に既に日本人は美徳を失っていたようです。
安倍総理大臣の所信表明でも引用されたアルバート・アインシュタインさんは昭和の日本人を愛してくれた。
職場にも静かで穏やかな人たちがいます。
何かを失ってしまったと勝手に思いこみながら、平成の日本人も変わらず日本人なのかもしれません。