ネクスト・ソサエティ

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる

この本は社会構造の変化を指摘しています。先進国の人口減少から高齢労働者の増加と同年齢のマーケットの増加を指摘しています。労働者は知識労働者(ノウハウというよりは大学やその後の継続教育から得られる専門知識を資産とする労働者)が増えるとのことです。知識労働者の場合、彼らが精神的に所属するのは、会社ではなく専門のコミュニティになります。その結果、雇用の柔軟性と競争が激しくなるとのことです。以前の知識労働者は医師、弁護士などを示していましたが、技術革新と陳腐化の激しいITにおいても最先端知識を保持するものは知識労働者と言えるとのことです。
で、知的財産権について思ったのですが、技術関係の知識労働者が激しい雇用競争を生き残るために、特許が本人に帰属する社会が望まれるようになると思います。もちろん、開発費は会社が負担しているので全権利を個人に帰属させることはないでしょうが、有益な発明をしたものは後の就職で有利になることが望ましい。著名な技術者はネームバリューにおいて既にそういった恩恵を預かっているかと思いますが、そうでない技術者はむしろ、退職時のNDA等自分の専門分野での再就職を制限されることすらあります。
こういった社会を変える知的財産権システムが必要となるでしょう。