観る碁のための囲碁入門12

第10譜


本譜は黒に囲まれた白石2個を取られない形にする過程です。途中いくつも疑問が湧くかと思いますが、出来上がった形に注目してみましょう。



記号がいっぱいあってすいません。もし黒がAと打てば白はB、黒がBと打てば白はAと打ちます。同様にもし黒がCと打てば白はD、黒がDと打てば白はCと打ちます。
こう対応することで、白は必ず「取り上げられない石」の形になることを確認してください。まだ周りが全部埋まっていないのでわかりにくいかと思いますが、交互に打てば取り上げられない石の形になることが確定した石のことを「生きている石」と呼びます。白44がとても大切な一着です。ここに打つことでこの白石の一団が「生きる」ことができます。

白が44で別の場所に打ったらどうなるか想像してみましょう。



例えば白1と打ったら。黒は2と打ちます。この白石は一体どうなっているのか。わかりやすくするために周りを詰めてみましょう。



取り上げられない石の特徴は、取ろうとする側が置けない場所が2箇所あることでした。上の図では黒はA,B,Cと打っていけます。A,Bと打つと白も黒もアタリになるので、白は一度は黒3個を取り上げることができますが、黒は取り上げられた後にまた打つことができる。こうして最後は白の一団全部が取り上げられます

白44が「生きる」ためにとても大切な一手だと感じ取ってください。