観る碁のための囲碁入門4

では今回から対局を見ていきましょう。
2012年に行われた第17回三星火災杯世界囲碁マスターズ 決勝3番勝負 第1局です。
白は李世乭九段、黒は古力九段。古力九段はAlphaGoと対決する李世乭九段のライバルです。



左が古力九段、右が李世乭九段です。

第1譜


盤上に黒石白石が乗っていて、番号が書いてあります。この番号が盤上に石を置いた順番です。


互いに隅の方から置いていっています。
一般に相手が置けない場所を作ったり相手の石を取ろうとする時、盤の端の方が味方をしてくれます。ほら思い出してください。



1つの黒石を取るのに中央では4個、辺では3個、隅では2個で囲めます。境界が味方をしてくれるので隅から打ち始めることが多いです。

隅の方から置くのがいいのか本当のところはわからないです。囲碁は4000年の歴史があると言われています。隅の方から置くのは4000年で培った人類の知恵のようなもの。でも、その知恵に疑問を呈すべく、最初に盤の真ん中や隅以外に置いて未知の世界に挑戦することもあります。


実戦に戻りましょう。



黒1はだいたい右上を陣地(後で自分の石を埋めることができる場所)にしようという手です。ただそんなに簡単な話ではありません。



黒1に白2と置くと、その後黒と白が交互に打つ限り黒は白2の石を取ることができません。ということは隅は白石が埋まることになります。



一例はこんなかんじです。もっと置いていくと隅の白石は、前回説明したような「取り上げられない石」の形になります。

これで白がリードしたのか?それはわかりません。黒は隅を陣地できませんでしたが、なんとなく中央寄りが黒っぽくなってきました。(点々が書いてあるからそうみえるだけだろうって?^^;)

囲碁は交互に石を置くゲームなので、ある部分を自分の陣地にすると反対側は相手の陣地になりやすいという性質があります。