ヨセの問題(訂正あり)
TwitterでSアルファさんがヨセの問題を出題されていました。
なかなか強敵なので、解明してみようと思いました。果たして今の自分にそういう根気があるかどうか。
計算には、王銘琬九段の「ヨセ・絶対計算」を使います。
王銘〓これを伝えたい〈1〉ヨセ・絶対計算―あなたは「一目」を理解していますか? (MYCOM囲碁BOOKSシリーズ)
- 作者: 王銘〓
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
Aを黒が打った時の地と白が打った時の地を数えます。
まず、簡単な白から。
この白1はどこにも利きがないので後手。
この後、白Aと打てば、白地10目が確定。黒は0目。
黒から寄せる場合もA。
これで白地8目が確定。黒は0目。黒Bとコウにする手は、白に、コウに勝つと2目増やす権利を与えるだけで得にならない。(白はコウに弱ければ継げばいい)
以上から、白が問題図のAと打った形は、白地10目か8目だから、平均してここには白地9目あると見なす。
次に黒が問題図Aと打った場合。
この黒1も白の死活には利いていないから後手。
次に黒から打つ場合は黒A。黒Bは白Aにアテ込まれ、黒Cは白Bにハネだされて得にならない。
黒3は後手。ただしその後のヨセは先手で、白3目、黒3目。つまり差し引き白0目と見なす。
(再掲)
白から打つ場合、白Aと白Bの比較が自明ではない。白Cは黒Bと打たれてアテ込めなくなるので得をしない。
白Aから考える。
白2は後手。
その後、白からAと打つと、白地8目黒地1と1/4目(黒が押さえると2目、白が出ると1/2目だからその平均)。差し引き白地6と3/4目。
黒から寄せる場合もA。
黒3は後手。ただし、その後の黒5以下が先手になるので、白地3目、黒地2目。差し引き白地1目。
(再掲)
従って、この状態で、差し引きの白地3と7/8目(6と3/4目と、1目の平均)
では
白2と寄せるとどうか。白2は後手。
次に白からも黒からもAと打つ。
白がAと打つと、以前の図に戻って、差し引き白地6と3/4目。
黒がAと打つと、
黒3も黒5も後手。
黒5の後は、先手寄せが決まる。
これは白地3目、黒地3目。差し引き白地0目。
(上記図と計算、間違いがあったので訂正しました)
黒3に白が応じるなら白4。これは白地6目黒地2目。差し引き白地4目。
従って黒3と差し込んだ時点で、差し引きの白地は2目。
(再掲)
白2と寄せた時点で、差し引きの白地は4と3/8目(6と3/4目と2目の平均)
つまり白からは白2とコスんで寄せるのが正しい。
(再掲)
黒からAと寄せると差し引き白地0目、白からBと寄せると差し引き白地4と3/8目だから、この形は差し引き白地2と3/16目。
まとめ
問題図は、黒がAと打つと白地2と3/16目、白がAと打つと白地9目。
従って問題図の状態で、白地が5と19/32目あり、Aと打つ手の価値は3と13/32目。
出入り計算の場合この倍の値であり、答えは6と13/16目の後手ヨセ。