脳のアーキテクチャ

脳研究やそれを題材にした啓蒙書、番組が最近さかんです。
研究者は緻密な検討をされているかと思うのですが、底から出てくる知見自体はいつも稚拙に感じます。例えば、右脳と左脳の話。脳梁前頭葉や言語野。海馬に偏桃体。ホムンクルス
研究者が脳のモジュール性にどのような過程でたどり着いたのか知りませんが、マスコミに流れる断片的な知識だけ見ると、まるで、いつも立ち上げた時にOutlookとInternet Exploreを立ち上げるユーザーを調べて、「DRAM物理アドレスの何番地はメーラ、何番地はブラウザ」という間違ってはいない事実を強調されているような気がします。
他の機能に比べて、脳の機能の配置が説得力を持たないのは、必然性というか底にあるアーキテクチャの理解の欠如にあるのではないでしょうか。
魚が流線型なのは水の抵抗を減らすため。など、本当に正しいかどうかわかりませんが根底に物理法則がある。それに比べると脳のモジュール性は根底が希薄です。
特定の演算は局所的に配置させるほうが発生学的に作りやすいとかなにか、基本原理が見出されない限り、脳科学は予測のできない経験科学にとどまるのではないでしょうか。